マグネットタンブラー(EC)

今でも築年数の古い建物に見られる鍵で、コインロッカーなどにも使われていました。S極N極の性質を持つピン錠のタンブラーがバネによって押し出されています。
鍵側にもS極N極の磁力を持つマグネットが埋め込まれそれぞれのピンに合うよう配置されています。鍵を挿し込むとS極・S極、N極N極が揃い反発しあってタンブラーが外筒へと押し出されます。押し出されたタンブラー(障壁)によって、内筒が回るようになり鍵を開けられるのです。この鍵の利点は、ギザギザとした形状の刻みキーとは異なりピンが直接鍵に触れない為スムーズに鍵を抜き差しできることと、ピンが磁力により操作される為ピッキングで触れる位置までピンを押し出す必要が無いのでピッキング行為に強かったことです。
デメリットは磁力が弱くなったりピンが一つでも落ちてしまったりすると鍵が正しくても開けられなくなる事、また当時は他と比べて値段が高かった事、電動ドリルを使った攻撃に弱いことです。
今では専用の開錠工具もあることから現在は廃盤品となっており、同じ鍵への交換は行う事ができません。鍵の耐用年数からして、現在このマグネットタンブラーシリンダーが扉に付いている場合は、新しい鍵へと交換してください。